いろいろなところで話す

本日は,第6回東京都作業療法学会で「構造構成主義の臨床実践法」についてお話してきました.

先月の後半から滋賀県,茨城県,東京都と立て続けにこのテーマで語ってきました(お呼びくださった先生方ありがとうございました).

いろいろなところで話してきて気づいたのは,構造構成主義の臨床実践法を知って「ビビッ」とくる方は「問題意識がしっかり育っている」ということです.

つまり,「いまの医療は何かがおかしい」という危機意識が実体験に根ざして生じているということでしょう.

信念対立の問題性を身近に感じているからこそ,その克服に焦点を当てた構造構成主義の臨床実践法の意義と可能性を汲みとることができるのだろうと思います.

しかし,これは幸でもあり不幸でもあります.

いち早く問題に気づけたという点では,まぎれもなく「幸」です.

信念対立が手に負えないモンスターと化す前に,どうにか手を打てる可能性があるためです.

構造構成主義の臨床実践法が何らかの役に立つことだろうと思います.

しかし,現時点で信念対立に曝されているという点では,ちょっぴり「不幸」だと思います.

人類の歴史を振り返ればわかるように,信念対立が生じると大なり小なり激化してしまい,一番の底まで行きついてしまうことも少なくありません.

それだけ,信念対立の克服は,実は(構造構成主義の臨床実践法を使ったとしても)とても大変な作業なのです.

だからといって,問題に気づかなかったことにしようというわけにはいきません.

今回の講演行脚で繰り返し強調したように,信念対立は医療(もちろん保健,福祉も)を持続不可能な状態に落としこむ可能性を秘めていますから,それは問題の先送りにしかならないためです(次に意識を向けたときにはもっと大変なことになっていることも…).

他方,僕からみて問題意識が育っていない方は「信念対立があってもいいじゃない」という反応を示す傾向があるようです.

そういう方にとっては,信念対立というやっかいな問題は顕在化していないわけですから,僕は「いまの職場を大事にしようね」と答えるようにしています.

これは皮肉ではなく,本当にそう思うのです.

構造構成主義の臨床実践法によって,多くの方が信念対立の呪縛から解放されることを願って,僕はまた研究に没頭するのでした.

PS.構造構成主義の臨床実践法に関心のある方は各職場で勉強会を開催してみてください.各職場で自律して勉強会ができるようホームページで教材の一部を公表しています.

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