【再掲】 第6回東京都作業療法学会のお知らせ

以前にもお知らせしましたが,下記の要綱で特別講演を行います.

僕の出番は11:50~12:35の間で,構造構成主義の臨床実践法についてお話しする予定です(この記事の後半に,学会抄録集に掲載された講演原稿を貼りつけましたので,お時間があるときにでもご照覧ください).

恩師の山田孝先生による「予防的作業療法」をテーマにしたご講演もありますし,話題に富んだ興味深い学会になるのではないかと思います.

学生さんは学生証を提示すれば無料で参加できますし,そうでなくてもアクセスのよい新宿が会場ですので関心のある方はぜひご参加ください♪

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第6回東京都作業療法学会開催のご案内

<テーマ>
「広がる、作業療法の可能性」

<学会長>
川井 城樹(首都医校)

<日時>
平成21年6月14日(日)  10時~16時
受付開始:9時30分

<会場>
学校法人 首都医校
(東京都新宿区西新宿1-7-3)

<内容>

10:15~11:45

特別講演
「予防的作業療法とは何か」
山田 孝 先生
首都大学東京健康福祉学部 作業療法学科
人間健康科学研究科 作業療法科学系 教授

11:50~12:35
特別講演
「作業療法士に伝えたい構造構成主義の臨床実践法」
京極 真 先生
博士(作業療法学)
社会医学技術学院 作業療法学科 教員

12:40~13:25
特別講演
「早期退院を促進する当院における作業療法の取り組み」
中村 晃一 先生
所沢慈光病院 作業療法士

13:30~14:15
特別講演
「作業療法の現状と今後の業務の広がり」
田村 孝司 先生
専門学校 東京医療学院
東京都作業療法士会 会長

14:20~15:40
一般演題 8演題エントリー

<参加費>
東京都士会会員   ¥5.000-
他県士会員    ¥6.000-
一般       ¥7.000-
学生(学生証呈示) 無料

<問い合わせ>
学校法人・専門学校 首都医校
東京都作業療法学会 事務局 内山 秀雄
〒160-0023
東京都新宿区西新宿1-7-3
Tel:03-3344-6061
e-mail:uchiyama.hideo@iko.ac.jp

※なお、託児所の利用を考えている先生は下記のアドレスまでご連絡ください。新宿区最寄の託児所の情報をお渡しいたします。
E-mail: gaku@tokyo-ot.com 

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作業療法士に伝えたい構造構成主義の臨床実践法

京極 真,Ph.D.,OTR(社会医学技術学院)

キーワード:信念対立,構造構成主義,作業療法

 「どうしていま医療で構造構成主義なのか」と聞かれることが増えました.漢字ばかりのこの聞きなれない言葉に,興味を持ちつつもとまどってしまう方が少なくないようです.でも,僕の答えはとてもシンプルです.「安心して暮らせる社会を作るために」です.その目的を達成するために,構造構成主義が役に立つと期待できるのです.

 日本の医療はいま,危機的な状況におちいっています.正しい医療を行っても結末が不幸だと訴えられるし,現場の実情に合わないヘンな医療制度が横行しているし,患者・家族のモラルは低下しているし,いつまでたってもチーム医療はうまくいかないし,マスメディアからのバッシングはすさまじいし,疲れはててしまって病院から去っていく医療者は後を絶たないし.そして向かいつつある先が医療崩壊.どこを向いても難問だらけ.それがいまの医療です.私たち作業療法士は,その真っただ中で働いているのです.

 これらの難問の根っこには共通して「信念対立」があります.信念対立は,人々が知らずしらずのうちに大切にしている価値や意味がぶつかりあったときに生じます.たとえば,「医師が司令塔になって各職種に指示を出すチーム医療に価値を見いだした医療者」と「患者を中心に各職種が連携しあうチーム医療に価値を見いだした医療者」がぶつかったらどうなるでしょうか.また,「『医療は安全』と考えている患者・家族・マスメディア」と「『どんな医療にもリスクはある』と考えている医療者」がぶつかったらどうなるでしょうか.私たちは普通,価値や意味を見いだしたことに自身のアイデンティティをのせています.つまり,信念対立には,どこかで必ず自身の存在を賭けた争いという色彩があらわれます.そのため,上記の例はいずれも,自らの存続を賭けてどんどんぶつかりあいがエスカレートしていく可能性を持っています.信念対立の行きつく先が戦禍(たとえば宗教戦争,世界大戦,テロとの戦い)だといわれるのはそのためです.

 構造構成主義は,人間科学の信念対立を構造上完全消滅させるために体系化されました.信念対立に苦しむ医療者たちは,構造構成主義にひとつの可能性を見いだしています.その可能性を現実のものにするために,構造構成主義の臨床実践法は研究開発されてきました.これが実用化されれば,臨床現場の信念対立は低減され,医療の持続・発展可能性が広がり,安心して暮らせる社会を作ることができると期待できます.特に,作業療法士は,伝統的に人間・環境・作業の全体像を捉えて実践してきたことから,臨床現場で生じる信念対立の全体像を捉え,解消していく構造構成主義の臨床実践法になじみやすいのではないでしょうか.安心して暮らせる社会を実現するために,私たち作業療法士が中心的役割を果たせるよう構造構成主義の臨床実践法についてともに学びましょう.

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