ネオロストジェネレーションの誕生?

今年は,リーマンショックの影響でたいへんな就職氷河期だ,と報じている記事を読みました。

ロストジェネレーションと呼ばれる世代の僕にとって,これはとても既視感のある光景です。

僕が高校卒業する少し前にバブルが崩壊し,企業が一斉に採用をひかえたため,今と同じようにすんごい就職氷河期がやってきました。

バブル崩壊から19年近くが経過し,またいまこの事態です。

2度も繰り返される同型の光景を目のあたりにして,それでもなお景気の後退のみが就職氷河期の要因だと本気で考える人がいたとしたら,これほどおめでたいことはありません。

時代を越えてほとんど同型の問題が起こるということは,日本の雇用体制そのものに構造上の問題がある,と考えた方が合理的です。

それはいったい何か?

端的に言ってしまうとそれは,右肩上がりの高度経済成長,少数の高齢者と多くの若手労働者の存在などを,暗黙の前提に労働市場が構成されている点にあるでしょう。

もちろん,バブル崩壊後は低成長期に適した戦略を模索する試みがあったことは知っています。

だけども,雇用体制は惰性の強い構造であることから,従来型のそれから十分切断されることなく模索されたため,結局のところうまく行っていないのが実情ではないでしょうか(結果として労動者間の格差ばかりが開いてしまいました)。

このままではこれから社会に巣立つ人たちが,労働市場がもつ構造上の欠陥から,かつてロストジェネレーションが背負い込んだような重荷を与えられてしまいかねません。

でも,こうした世代と他の世代の人たちとの未来は共有しています。

結局のところ,最終的には全員が重荷を背負い込むことになるのです。

そのときになって,日本の社会が重荷に耐えうる地力を持っているでしょうか。

僕の乏しい想像力だと,このままでは期待薄だと思います。

バブル崩壊後に有効な雇用体制を築けなかった反省を活かし,労働市場の基本構造を改革することが望まれると思います。

全員が当事者なのですから。

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