高度経済成長期の方法から転換すること

昨日,新卒一括採用の問題に触れましたが,これは高度経済成長期に適した方法として作られたものです。

高度経済成長期の方法は他にも,終身雇用制や年功序列制などがあります。

これらの方法は,高度経済成長期にはある程度有効でしたが,重要な点はそれが本当に機能するのは公務員や大企業などの特殊な例に限られるということです。

高度経済成長期でも多くの中小企業にとっては幻想でしかない方法でしたが,これが日本の伝統的雇用文化だとしてみなされて,現在まで生きていることが大きな問題です。

それでも,高度経済成長期にはこの方法にもそれなりにメリットがありました。

たとえば,企業にとって新卒の労働者をいちから育てて獲得された熟達した技術を囲いこむことができますし,他方,労働者にとっては自動的に賃金が上がっていきますから希望と安心を得ることができる。

だけど,もう高度経済成長期ではないのです。

経済が停滞しているときに,高度経済成長期の方法を用いるのは傷口に塩を塗るようなもので,痛みが増すだけです。

方法の転換が必要です。

高度経済成長期の方法は上記のようなメリットもありましたが,閉鎖的な労働市場を形成する役割を果たしてきました。

昨日述べた新卒一括採用がいい例で,この一発勝負に弾かれた人たちは将来にわたって正規労働者になる可能性を閉ざされます。

また,終身雇用制と年功序列制は労働市場の流動性を奪ってきました。

流動性のない労働市場や,再チャレンジの機会がない閉鎖的な労働市場は,誰もがフリーターになったり,リストラにあったり,派遣労働者になりうる不況下においては「最大のリスク」と「最小のリターン」しかもたらしません。

労働市場の改革を行わなければ,最終的に割を食うのは全国民です。

労働市場の流動性,開放性を担保できる新しい方法の導入が必要です。

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