4条件メソッドの補足議論

卒研生ゼミでは、ゼミ生たちの希望で『作業療法士のための非構成的評価トレーニングブック-4条件メソッド』の輪読を行っています。

先週、特講1日目に挑みましたが、「11.ポイントは『発想の逆転』」の理解がちょっと難しいようでした。

現象学的思考法のところです。

理屈のところは本文に書いてますので参照していただくとして、理解を促すためのたとえ噺をここでは行っておきましょう。

たとえば、僕たちは「織田信長」や「坂本龍馬」は実在していたけども、「河童」や「天狗」は実在していないと思っているでしょう。

その理由として、前者は当時の記録などによって現実にいたことが確認できるけども、後者は記録があるとはいえ空想上の産物だから現実にいたことが確認できないためだ、と考えるかもしれません。

こうした考え自体は、まぁよくありがちなふつうの考えだといってもよいでしょう。

「11.ポイントは『発想の逆転』」では、これをずらすのです。

つまり、「実際にいたから、私はいると思う」あるいは「実際にいなかったから、私はいないと思う」という発想を、「どういう理由で実際にいた(いなかった)と思うのか」という発想に変換してしまうのです。

すると、どうでしょう?

実は、「織田信長」も「坂本龍馬」も「河童」も「天狗」も、現代に生きるぼくたちのほとんどが「生きているその人(あるいは妖怪)に会ったことがない」という点では等価だ、ってことに気づくことができると思います(会ったことがある人はごめんなさいね)。

では、記録という観点からはどうでしょう?

「織田信長」や「坂本龍馬」の記録は残っているけど、「河童」や「天狗」の記録は残っていない、な~んてことはまったくありません。

もしかしたら、後者の記録のほうが多いぐらいかもしれません。

ということは、記録という点でも出発点においては等価だ、ってことになります。

ってな感じで考えていくことができれば、「織田信長」や「坂本龍馬」は実在していたけども、「河童」や「天狗」は実在していない、と安易に片づけることはできない、っていう理解にいたるはずです。

本書でも論じたように、作業療法評価において上記の構図は、構成的評価>非構成的評価というヒエラルキーとしてアナロジカルに変換することができます。

4条件メソッドは非構成的評価の技法ですから、そうしたヒエラルキーから自由になるために上述してきた発想の転換がとても重要になるのです。

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