新経済成長戦略について想う

菅総理の所信表明演説で新経済成長戦略の概要が示されました。

大きな柱は、グリーン・イノベーション、ライフ・イノベーション、アジア経済戦略、観光立国・地域活性化戦略、科学・技術立国戦略、雇用・人材戦略の6つです(たとえばaを参照)。

基本的な方針は、2009年12月にだされた新経済成長戦略に沿っていると思われます(この資料は読み物としても面白いので、ぜひ一読されるとよいかと思います)。

政府が特定の分野に助成することによって経済成長を後押ししていくという方法は、おそらく一定の効果があると思うので反対しませんが、それのみで経済成長を果たせると判断してしまうのは錯覚です。

政府の助成を無にしないためには、政治家が各分野で規制改革を積極的に行い、優秀な人材(国民)がオーバアーチブできる土壌を整えることが必要だろう、と思います。

たとえば、ライフ・イノベーションでは医療・介護を成長産業に位置づけていますが、現状ではさまざまな規制によって積極的にチャレンジできる機会を失うことから、成長産業として展開していかない可能性があると考えられます。

ひとつ例を挙げれば、医師法を改正してナース・プラクティショナーが実現できるかどうか。

あるいは、 作業療法士、理学療法士などの開業権や、医師の指示なしの評価・介入が認められるかどうか。

その他にも医療・介護が成長産業になりがたいいろいろな規制があますので、既存の規制が既得権益の保護に機能しすぎてしまい、結果として経済成長を後押しする新規参入を阻害してしまったり、優秀な人材の流動化を阻んでしまうことも考えられるでしょう。

そして、そういった問題は、新経済成長戦略で挙げられたその他の分野でも大なり小なりあるはずです。

つまり、成長戦略において政府の助成は必要でしょうが、成長そのものを阻害してしまう既存の規制の仕分けが必要になってくる、とぼくは思います。

もうちょいいえば、税制改革もセットでやっていかなければ、放っておいたら縮小していくしかない日本に、成長をもたらすことはできないはずです。

いまの税制は無駄が多いし、とりっぱぐれも少なくないですから、法人税の引き下げ、消費税の増加以外にも、全体的な見直しが必要になります。

ってわけで、政府の助成、規制改革、税制改革を本気で実行してくれる政治家がいたら、ぼくはもう政党を超えて応援してしまうと思いますね。 

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