研究者モード

臨床家と研究者の大きな違いは「集中力の方向性」だろうと思います。
臨床家は、クライエントの言動に集中力を注ぎこみ、なにか雑務していてもその変化に気づくことができるでしょう。
臨床家の集中力は常に他者に開かれていて、他者との対話のなかに注ぎこまれるわけです。
他方、研究者は基本的に内側に没頭するタイプの集中力で、周囲の変化に対してあまり意識が向かない。
「この服装どうかしら?」
「まぁいいんじゃない?」
「この仕事を頼んでいいかしら?」
「うん、、、それでいいんじゃない?」
「明日、お昼に会議がありますよ」
「ふ〜ん、いいんじゃない?」
「私たち別れましょう」
「うん、それでいいんちゃう?」
ってなぐらいに、日々の交流は上の空になっていることも少なくないでしょう。
もちろん、研究に関わる会話や観察なら、それに集中力が注がれますから話は別です。
そのときは、「どうして?」「なんで?」と探求心いっぱいにつっこんでいきます。
大学院生や若い研究者(僕も若い研究者です)はいつも研究について考えつづけて、周囲からの刺激に心ここにあらずの状態で常々対応できるようになれば、きっと立派な研究者になれるはずです。
彼女(彼氏)や奥様(旦那)から「あなた、本当に人の話聞いてないのね」と言われたら素直に喜びましょう。
臨床家はそうはいきませんが。
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