すべての研究は関心相関的です

先日、通信制大学院のスクーリングがありました。
スクーリングは3日間連続で行われます。
院生の皆さんは、臨床家を兼務していることもあり、問題意識が明確でかなり熱い日々になりました。
さて、院生に指導していて気づいたのは、関心相関性という観点が弱いということです。
あらゆる研究とそのプロセスは、常に「何かの関心」に応じて展開していきます(詳細は西條の『研究以前のモンダイ』参照)。
たとえば、研究デザイン。
治療効果の証明に関心のある人は、ランダム化比較試験を中心にした研究デザインを選んで組み立てていくでしょう。
障害者の世界観を理解することに関心のある人は、グラウンデッド・セオリー・アプローチ等の質的研究を選んで設計していきますよね。
つまり、研究デザインは関心相関的です。
研究発表もそう。
結果の意義を伝えることに関心のある人は、研究結果で着目すべきポイントとその価値を中心に発表するでしょう。
方法について助言をもらうことに関心のある人は、目的と方法の具体的内容を中心に発表するでしょう。
言い換えれば、研究発表は関心相関的です。
この他にも、論文執筆、研究評価、文献読解、研究デザインの修正、議論、指導、質問、批判的吟味などなど。
関心相関性は、あらゆる研究の側面で必要になる観点です。
これの把握が弱いと、研究にゆきづまるのがオチです。
だって、何のために研究やっているのかわからなくなるのですから。
特に、院生は研究をはじめたばかりですから、とにかく意識的に「関心は何か」と問いかけながら取りくんでいってもらいたいですね。
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