首都機能移転のすすめ

僕は首都機能移転が必要だと考えています。
3月26日の「朝まで生テレビ」の最後に首都機能移転の話題がでたらしいので(僕はすやすや寝てました)、これから議論が活発化してほしいと望んでいるのだけども、東日本大震災の教訓を活かすためにも、東京に一極集中した首都機能を、日本各地に移転させる意見に一票入れたいと思います。
その背景には、今回のような想定外の大災害に対しても抵抗性のある国家になってほしい、という希望(関心)があります。
この希望を実質化するには、首都機能移転という方法がおそらく妥当な選択肢だ、と僕は考えているわけです。
現在の日本の首都である東京は、いくつもの大災害がかなり高い確率で起こると予想されています。
だけども、いま日本はそのハイリスクな場所に、総人口の10パーセントが集まり、国家の中枢機能のすべてが集約されています。
今回の東日本大震災は、東京に首都機能を集約させるリスクを、私たちに筆舌に尽くしがたいかたちで突きつけました。
そこにすべてを集中させることは、効率よい経済活動という点ではメリットがあります。
だけども、想定外のリスクに対する抵抗性という観点からは、それはデメリットになります。
首都の東京は全国土の約0.6パーセントにすぎませんが、そこの営みが機能不全に陥れば残りの99.4パーセントの営みもほとんど同時に機能不全に陥りかねないためです。
東日本大震災は、首都に対して高い確率で予想されている直下型地震に加えて、福島原発の放射能リスク、計画停電による経済リスクなどの問題を長期に抱えこませました。
それによって今後さらに、一極集中構造の首都のメリットである効率よい経済活動も大きく削がれることになるはずです。
実際、計画停電によって倒産の危機にある企業も少なくないと聞いています。
そうしたことを鑑みれば、まだ余力があるうちに首都機能移転を本格的にすすめることが期待される、と僕は思います。
もちろん、東京の首都機能のすみやかな回復は、僕も心から願っています。
だけども、問題の長期化が予想されるなか、それはなかなか難しいのではないか、とも思っています。
であるならば、東日本大震災後のリスクが負担増になっていま以上に身動きがとれなくなる前に、首都機能移転の作業を本格化したほうがよいでしょう。
首都機能には一般に行政、司法、立法があると考えられています。
このうちたとえば、司法の最高裁判所の移転などはそれほど難しいものではないかもしれません。
あるいは国会の移転もまた、トップ(首相)が覚悟をもって決断すれば、現実的なプランになる可能性があるのではないかと思います。
また、天皇陛下に皇居から京都御所にお引越ししていただくよう、心からお願いするのもいいかもしれません。
国家復興の過程で徐々に首都機能を移転していけば、東京に集まった企業も日本の各地に移転していくと期待できます。
そうすると「日本のどこにいっても想定外のリスクはある。首都機能移転はリスク回避にはならない」という方がでてくると思います。
そりゃそうでしょう。
だけども、問題はそれではないのです。
先ほど述べたように、問題は全国土の約0.6パーセントに日本の中心が集約しているため、何か問題が起これば日本全体の機能が一気にダウンしてしまう、という点です。
首都機能移転は、このリスクに対応するためのものです。
首都機能が日本各地に散っていれば、そうでなときに比べて、今回の東日本大災害のような想定外の問題に対応できる可能性の幅を広げることができます。
首都機能の移転先に求められる条件は、今回のような大災害が起こる確率が低い、多くの人口を引き受けられる土地がある、などがありますが、以前の首都機能移転で議論された東京からの距離が近いという条件はほとんど考慮する必要はないと考えています。
目覚しく発展したクラウドが、距離の問題を解決してくれるはずだからです。
さて、首都機能移転の実現には相応の費用が必要になるでしょう。
そうした問題を含めてどうやって実質化するか、という議論を期待しています。
なお首都機能移転問題は、今年2月のニュースで幕引きされたと伝えられました()。
しかし政治家の皆さんはすでに、今回の大災害を受けて首都機能移転の検討を再開していると僕は信じています。
打ちのめされてもしぶとく生きのこる日本に、していけるかどうかの分岐点にたっていると思います。
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