通信制大学院スクーリング


11月11日から13日は、吉備国際大学大学院修士課程(通信制)のスクーリングでした。

京極研究室における通信制大学院は、M2が2名、M1が2名という体制で運営しています。

院生は超・熱いメンバーで構成されていて、スクーリングは毎度「合宿」と改名したほうが実情にあうと思うぐらい。

今回僕は、軽い下痢嘔吐症もあいまって、この3日間で3キロ近くの減量に成功しました、笑。

それぐらい、激アツ空間なのが、このスクーリングなのです。

さて以下では、通信制大学院スクーリングを通して改めて重要だ思ったこと、をいくつか。

(1)理論的思考と論理的思考は違う

この領域では、臨床家を経てから研究者の道にすすむケースが多くを占めると思います。

昨今の臨床家に求められるスキルのひとつが「理論的思考」です。

つまり、何らかの理論を参照枠にしながら、現象を読み解いていく技術です。

しかし理論的思考が、研究者にとっては邪魔になることがあります。

なぜなら、この思考法では理論そのものに批判的吟味を仕掛けにくいためです。

また理論的思考では、せっかく得られたデータを理論によって都合よく解釈してしまい、データそのものに密着した洞察を展開しにくい、という問題もあります。

研究者は、それでは駄目です。

研究者にとって理論は批判的吟味の対象でもあり、ただ単に使いこなすだけでは不十分だからです。

また研究者は、データに基づいてしっかり洞察し、新しい知見を生みだしていく役割もあります。

つまり、研究者は理論的思考だけでは、やってけないのです。

ここで必要なのは論理的思考です。

理論の論理構造そのものを吟味するスキル、データ(事実)に基づいて洞察を展開し知見を見いだすスキル。

意識的なスキルの切替が、臨床家から研究者にシフトチェンジするうえで欠かせない作業であろう、と思いました。

大学院はその訓練の場でもあるわけですね。



(2)タブーのないディスカッション

また研究者に必要なスキルを身につけるうえで、タブーのないディスカッションが非常に重要である、と思いました。

このことをもう別の角度から言えば、「問うてはいけないテーマがない」ということです。

例えば、誰かがAについて研究していたら、その研究が根底から覆るような批判的吟味を展開して、しかもそれに対して徹底反論してもよいのです。

臨床家に求められる重要なスキルのひとつは共感です。

この感度が前提にくると、徹底討論に対してちょっと引いてしまいがちです。

だけど、研究者に求められる重要なスキルのひつとは、まさにこの徹底討論することなのです。

予断を排して互いの議論をぶつけあい、研究テーマ・方法・結果・考察に磨きをかけていき、どんどん前にすすんでいく。

それによって、強く深く考えることができるようになり、洗練された新しい知見を次代にプレゼントしていけるようになるわけです。

通信制大学院の場合、スクーリングでこの感度を養い、その後はメーリングリストやSkypeで実践していくことになります。

タブーのないディスカッションは、臨床家を経由してから研究者を目指す人たちにとって、とっても重要なトレーニングだと思います。

そうしたことが、誰に指揮をとってもらっているわけではないけども、全員が何となくそういうルールを了解しながらできるようになればベターですね。

(3)意義をしっかり理解すること

最後に、研究の意義を明確に捉えておくことは、とても重要です。

通常、研究はそれが行われた時点では「よくわからないもの」として、僕たちの前に置かれます。

どんな研究でも、これまで誰も解いたことがないテーマに挑むわけですから、それがいったいどういうものなのか、を簡単には理解できないのです。

研究に独創があればあるほど、その傾向は顕著になります。

だからこそ、その研究に挑んだ研究者は、はるか先の未来を見通すように努力し、自身の研究が展開していった先で何が起こりうるのか、を明晰判明に理解しておく必要があるのです。

研究者は「よくわからないもの」を世に送り出す以上、自分の研究が先々どのような未来を創るのかを透徹した洞察力で予想しておく役割が、あるように思います。

たとえ、その予想が外れたとしても、です。

研究者は間違ったときに堂々と修正することが担保されたポジションにいますから、外れることは過剰に気にしなくてもよいのです。

大学院では、その感度を身につける訓練を行う必要があるだろうと思います。

ここに書いた以外にも、いろいろ楽しい気づきがありましたが、院生たちは上記のようなことを自然にやろうと努力していたり、指摘されてからしっかりやれるようになったりして、今後の成長がとっても楽しみだなぁと思いました。

みなさん、上手に無理して頑張ってくださいね。

最終日は、研究室メンバー(通信制大学院生たちと学部大学院一貫教育生&僕)で、京極研究室のTシャツを着てみんなで記念撮影したのでした^^。


次回のスクーリングを楽しみにしていま〜す☆

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