書評:チームの力,構造構成主義による”新”組織論

著者の西條剛央さんは、優れた理論家であり、かつ優れた実践家でもある希有な人だ。
本書に通底する哲学は、人間科学の原理として体系化された「構造構成主義」である。

構造構成主義は原理的思考の方法であるのだけども、本書を読むと徹底した現場主義でもあることが、よくわかる。


 
現場主義と言っても、本書で単に使えるノウハウが書いてあるわけではない。

むしろ、ノウハウそれ自体をどう使うか、またその使い方はさらによりよくできないか、という観点からどんどん高次元の議論が展開していく。
西條さんが本書で展開する組織論は、個別のノウハウに対するメタのさらに一段上のメタで機能する「超メタ組織論」だ。

これが実用的かつ原理的な内容なので秀逸である。

こう書くととても難しく感じるかもしれないが、本書は高度な内容を非常に平易に書いている。

以下のサイトで序章とあとがきを読めるので、内容を確認するとよい。

http://www.chikumashobo.co.jp/special/team_power/

そして、よいチームを作りたい人は、本書を読むと目から鱗の連続に違いない。

それと、本書をもっと理解したい人は、以下の書籍もあわせて読むことをお薦めする。

徹底した現場主義の構造構成主義を通した支援活動が、率直な文体で書かれており、本書の活動例で紹介される「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の実際がよりよく理解できると思う。

2冊の本を読んで、自分も実際に良いチームを作りたいと思ったら、西條さんが主宰する「いいチームを作りましょう」プロジェクトに参加すると、具体的行動に移せるきっかけになるかもしれない。
Facebookグループもあるので、そこで意見交換しながら、あなた自身がいいチームを作っていくとよいだろう。
本からSNSまでしっかり連動しているなんて、やっぱ西條さんは優れた理論家かつ実践家だなぁ。