質的研究のお薦め教科書

質的研究は、異なる意見が錯綜している状態なので、初学者が党派性の色濃い教科書を読むと混乱します。

例えば、理論的飽和ひとつとっても、GTA系なのか文化人類学系なのかで評価が大きく分かれます。

理論的飽和は、データ収集と分析を繰り返し、新しい結果が生じなくなった状態です。

(私の理解では)前者は理論的飽和を重視し、後者はとても懐疑的です。

こんな調子で異なる意見がいろいろあるので、初学者がポジショントーク全開の書籍を読むと混乱するわけです。

なので、質的研究領域を見通せる書籍が手元にあると、個別の研究法を学習するうえで理解が進みます。

私は、こういう見解の相違があるから、質的研究の面白さが増しているのだと感じています。

見解が統一された領域は刺激がないから飽きます。




他方、初学者は混乱するだろうと思います。

さて、私たちの研究チームでは、複数の質的研究を走らせてきました。

実際に採用した手法は、複線径路・等至性アプローチ、事例コードマトリクス、グラウンデッド・セオリー・アプローチ、KJ法、SCQRMなどなど。

その過程で、質的研究に関する書籍はたくさん検討しました。

中でも以下の4冊はバランスがよかったです。

個別の研究法で良質な書籍は別に紹介します。

質的研究に取り組む人は、質的研究一般を理解するために、これらの教科書を手元に置いておきましょう。