人間作業モデルでクライエントの意志を理解するコツ



人間作業モデルでクライエントの意志を理解するためには、個人的原因帰属、価値、興味という切り口では、不十分です。

これは大学講義で強調していることなのですが、3要素(個人的原因帰属、価値、興味)に対して情報を並列的に盛りこむだけでは、意志の十全な理解にはつながらないのです。

なぜか?

人間作業モデルの第一章と第四章をよく読めばわかるように、理論構造上、意志はダイナミックなプロセスです。

理論上、意志は非常に立体的です。

これには、個人的原因帰属、価値、興味は日々の暮らしに織りこまれている、という世界観が前提にあるわけです。

個人的原因帰属、価値、興味に関する情報を、平面的に羅列するだけでは、クライエントの意志は理解できないという話になります。

意志は立体的に捉えないと理解できません。

ではどうしたらよいでしょうか。

結論から言うと、日常生活で展開されるダイナミックなプロセスのなかで個人的原因帰属、価値、興味を理解することが、クライエントの意志の理解につながります。

人間作業モデルにおいて、ダイナミックなプロセスは予想選択経験解釈という4つの要素とその関係性で記述できます。

クライエントの意志を理解するためには、個人的原因帰属、価値、興味という3つの要素に加えて、もうひとつ次元を増やしたかたちで現象にアプローチしていく必要があるのです。

したがってまず、臨床で人間作業モデルを活用し、意志に働きかけるためには、評価で以下の情報を把握するようにします。



①予想

・個人的原因帰属は?

・価値は?

・興味は?

・全体として、予想はどういう傾向にあるか?

②選択

・個人的原因帰属は?

・価値は?

・興味は?

・全体として、予想はどういう傾向にあるか?

③経験

・個人的原因帰属は?

・価値は?

・興味は?

・全体として、予想はどういう傾向にあるか?

④解釈

・個人的原因帰属は?

・価値は?

・興味は?

・全体として、予想はどういう傾向にあるか?

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次に、①から④の影響関係を整理します。

人間作業モデルでは、①から④に展開すると前提していますから、予想選択経験解釈という4つの要素が、時間の中でどう影響しあいながら生活が成立しているか、を把握していきます。

それによって、クライエントの意志を立体的に捉えることができ、よりよく理解できるようになります。

以下には、上記のリーズニングを学習するための教材として、事例分析シートを掲載しています。

自由にお使いください。