底の底にあるのは「現象」

織田さんのblog記事がとても面白かったのでリレー記事を書きたいと思います、笑。

スクリーンショット 2015 12 07 22 10 10

織田さんはぼくと同世代の作業療法士で、はじめて会ったときから意気投合している大切な仲間です。

現在は、マインドフルネス作業療法の研究開発に取り組まれています。

こういう議論ができる仲間がいるってとても大切なんですよ。

刺激的なblog記事サンキュー!



さて本題です。

織田さんは以下のように書いています。
「手段」でも,「目的」でもない,「それ自体」の作業(作業療法)にもともと備わっている視点が「失われつつある」そんな気がしています.
これ、すごく重要なポイントです。

ぼくの理解でいうと、これは無目的の目的性ということすらエポケーするマインドフルネス作業療法の真骨頂で、作業を通して立ち現れる現象にしっかり意識を向ける(という感覚すらも保留しながら)という意味で受け取ることができます。

それによって、「目的は達成できたかどうか?」「目的にあったやり方でできたか?」「目的は妥当なのか?」「そのやり方は正しいのか?」などといった問い自体から解放され、現象を通して癒される可能性を確保できるからです。

目的と手段の関係で物事を整理することは原理的に妥当であるものの、それにとらわれることによって苦しんでいる人たちがおり、マインドフルネス作業療法はそこから解き放つことで苦悩を解消しようとするわけです。






で、これとOBP2.0の関係です。

実はマインドフルネス作業療法とOBP2.0は現象を最重要視するという点で、同型の理論構造を備えています。

OBP2.0は信念対立解明アプローチのコロラリーの一つです。

信念対立解明アプローチは現象を底板に設定した構造を持つ理論です。

OBP2.0は、信念対立解明アプローチの現象を最も重視するという理路を直に継承しています。

ここでいう現象とはあらゆる立ち現れであり、それは目的や手段といったことよりも尊重される思考と実践の始発点で、あらゆる事柄に対して底の底に位置しています。

現象の最重要視は、信念対立解明アプローチの独創ではありません。

その源流にあるのは、現象学、構造構成主義、禅、タオなどで、それぞれがいろんな論じ方で信念対立を克服するためには現象を最重要視する他ないと位置づけています(私の現象とか超越論的主観性とかいろんな表現があるけど)。

信念対立解明アプローチとそのコロラリーのOBP2.0はそれを発展的に継承しているのです。

そしてこれらの系譜では、実存の最も基底にあるのは現象であり、目的と手段は現象から紡がれる二次的産物(構造)であるというのが理路の領域の到達点のひとつです。

人間的営為の全ては現象からはじまるし、ここから始めざるをえない。

そういう意味でマインドフルネス作業療法とOBP2.0はよくマッチしています。



織田さんが提起した論点はすごく重要なので、いろいろ書き出すときりがなくなるのですが、とりあえずこのblog記事で言いたいことをまとめると「現象ってすげー!」ってことです。

マインドフルネス作業療法とOBP2.0の発展がとても楽しみですね。