【書評】長寿と性格 なぜあの人は長生きなのか

人間の個体は100%死にます。

食事と運動で健康寿命は確率的に延伸できる可能性があります。

でも、やっぱり死にます。

要するに、何食っても何やっても結局死ぬのです。

この結論は変わりません。



死後の世界があると心から信じている人以外にとって、死は純然たる恐怖です。

生きている人間は、誰も死を体験したことがないので、「どうなるかわからない」からこそ想像力がドライブしてしまい恐怖が宿ります。

しかし、人間の個体に死がなければ人口が増え続けるために、地球上の資源はとっくの昔に枯渇していたはずです。

もしそうなれば、いまぼくたちが存在することもなかった。

おそらく存在しなかったんです。

死は恐怖であると同時に希望でもあるわけです。






とはいえ、やっぱり死は怖いし、避けられない。

ならば、死を前提に心楽しく長生きする術を選ぶほかない、という話になります。

で、いろいろ本を読んでいると、以下の書籍2冊にそのためのヒントになりそうな知見がいっぱいつまってました。

左上の本は長寿と性格とか書かれていますが、原著はThe Longevity Project(長寿計画)です(左下)。

つまり長寿と生き方を論じている。

右上の本はそれをわかりやすく紹介しています。




ヘルスケア研究者の端くれの立場からいうと、「〜が健康によい」と断言するのはとても難しいです。

RCTやメタ分析である程度はわかることもあるのですが、それもいろいろな限界を抱えていますから、どうしても言い切れないことが多くなります。

上記の書籍は、そういうグレーゾーンを踏まえつつも、長年にわたる研究からおそらく妥当そうな知見を中心に紹介しています。

そしてそれは、予防作業療法や産業作業療法などといった一次予防に関わる人は知っておくと良い内容です。

また(病気や障害を持つ人にどこまで通じるかは慎重にならざるを得ませんが)高齢者の生活支援を行う臨床家も知識として持っておくと良いと思います。

例えば、以下のようなことが書かれています。
  • 適度に真面目な人な方が良い
  • 長生きには、幅広い人間関係が必要である。
  • 無頓着でいい加減な生き方は寿命にマイナスである
  • 適度な運動は健康に良い。
  • 長生きする人は生涯現役であることが多い など
他にもジェンダー(セックスではない!)の差が与える影響や教育の影響など、いろいろ興味深い内容が書かれています。

当然、研究ですから知見の精度にさまざまな限界がありますが、それでも知っておくと良い内容だと思います。