勇午ついに完結

約21年前からずっと愛読してきた漫画『勇午』がついに完結しました。

勇午の新しいネゴシエーションを読めないと思うとさみしいっすね。

ネゴシエーションのテーマは戦争、テロリズム、宗教対立、民族問題、闇社会、難民問題、経済問題、政治問題など、人類が長らく対応に苦慮してきた難題が基盤にあります。

政治家の麻生太郎さんも外交を語るなら勇午を読めといったらしいです(参照)。

『勇午』のすごいところは、上述のような複雑なテーマを扱っているにもかかわらず、長回しの台詞がほとんどないところです。

なのに、ストーリーの完成度は高いし、絵は綺麗だし、リズムは良いし、何度読んでも飽きません。




勇午の記号を武器に対立する人々をつなぐというテーマは、ぼくの研究テーマにまわりまわって反映されちゃったと勝手に思ってます、笑。

ちなみに、自宅の書斎には『勇午』全巻そろえて置いています。

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勇午は、交渉の舞台をパキスタン、ロシア、イギリス、アメリカなどへと変えながら展開していきます。

ひとつひとつのネゴシエーションは、それぞれの舞台でおおよそ完結しますから、途中の巻から読みはじめてもほぼ理解できます。

これから『勇午』を読んでみようかなぁという人は、以下が特にお薦めです。

1.マグダラのマリア編

本作では、キリストの謎に絡んだネゴシエーションが展開します。

また「人間にとって宗教とは何か?」という問いが伏線になっており、これまた深い洞察が絵と台詞で展開します。




2.香港編

本作のテーマは、香港の中国返還を背景にした黒社会との壮絶なネゴシエーションです。

熾烈を極める対立の果てに、それぞれの利害の対立を越えた合意を形成するとはどういうことか、を考えさせてくれます。


3.ロシア編

本作は、シリーズのなかでもストーリーの完成度がもっとも高いと思います。

ロシア編の背景には「愛って何だろう?」という問いがあると感じていて、過酷なネゴシエーションと深遠な問いのコラボにぐいんぐいん引き込まれます。



『勇午』は終わっちゃいましたが、これからも繰り返し読んでいきます。
好きなんで、笑。

作者の真刈信二さん、赤名修さん、長いあいだお疲れさまでした。

そして良質な作品、ありがとうございました!