事例研究のポイント



事例研究は、真面目にやるとかなり大変です。

なぜなら、事例研究のポイントは個別の事例から一般化できそうな仮説(法則)を抽出する、という非常に高度でアクロバティックな知的営為に求められるからです(いろんな解釈がありますけど)。

事例研究は「研究」である以上、大なり小なり一般化可能性をめがけることになりますが、単一の事例から全体に通じうる法則を見いだすのは至難の業なんです。

院内などで行われる事例検討(あるいは事例報告)であれば、実践の経過を報告し、その意味を内省し、よりよい実践になるような知見を得るもので十分です。

事例検討は日々の臨床の改善のために行いますから、それに役立つなら個別の事例から全体に通底しうる法則の生成までやらなくてもよいです。

これだってけっこう難しいことなんですけどね。


でも、学術である事例研究は、個別の事例の作業療法プロセスを分析し、そこからいろんな事例に共通しそうな仮説を生成し、次の新しい事例研究、質的研究、量的研究へつなげられる努力が求められます。

当然、事例研究の報告にあたっては先行研究のレビューが必要ですし、考察でも先行研究を踏まえて何が新しい知見なのかを明確に示す必要もあります。

何が新しいかわからない事例研究は、けっこうキツいです。

事例研究は仮説の生成と検証のプロセスであり、事例研究の質はそこで判断することができるんですよ。

良質な事例研究は臨床を改良しますし、学知の発展にも貢献できます。

めっちゃ難しいですけど。

事例研究について理解を深めたい人は、以下の文献がオススメですよ。