【講義メモ】人間と作業(2016年4月14日)

学部1年生を対象にした「人間と作業」の講義メモを、講義担当の寺岡睦さんに寄稿していただきました。

寺岡さん、ありがとうございます。

「人間と作業」は、講義と演習を通して、作業的存在としての人間を自覚し、作業的観点から人間理解できるようにしていく内容になってます。

以下は要約なので、講義を受けていない人にはわかりにくいかもしれませんが、どうかご了承ください。



今回のテーマは、ストレスと作業機能障害です。

まずストレスとは、様々な定義がありますが、個人が体験する外的刺激(物理的、科学的、生理的、心理的)であり、それはストレス反応を伴います。

ストレス反応とは、外的刺激により生じる種々の生体応答です。

例えば、新生活になり慣れない環境で夜眠れない、友達から作業の重要性を否定されて気分が落ち込む、などです。

このストレス反応の原因には作業機能障害があるとされています。

作業機能障害とは、生活行為(仕事、遊び、日課、休息)が適切に行えていない状態であり、作業不均衡、作業剥奪、作業疎外、作業周縁化に分けられます。
ざっくり説明すると、
  • 作業不均衡は、生活のバランスが崩れている状態です
  • 作業剥奪は、外的要因によって作業ができない状態です
  • 作業疎外は、生活に意味を見いだせない状態です
  • 作業周縁化は、作業の価値にギャップがある状態です
先ほどの例で考えると、新生活になり環境に慣れないことは作業剥奪にあたります。

友達から作業の価値を認められないことは作業周縁化に当てはまります。

ストレス反応と作業機能障害が実際どう関連しているか、ですが、医療従事者約1000名を対象にした研究では、作業機能障害がストレス反応を引き起こす確率は約5割で、医療従事者の半数の人は作業機能障害とストレス反応を体験しています。

つまり、作業機能障害とストレス反応は近い概念の関係があります。





では、そのストレス反応に対してどう向き合っていけばよいか。

1つは、自分の得意とするストレス対処はどれかを知ることです。

ストレス対処は個人によって、ストレスの原因によって様々ですが、例えばおおきく3つの対処パターンに分かれます。
  • ストレスが生じる問題に対して解決に導くよう考える(問題焦点型)
  • ストレスを感じた自分の感情を自己分析する(情動焦点型)
  • ストレスを忘れるような作業をする(回避逃避型)


また、行ったらストレス軽減に働く作業と、ストレス解消にはならない作業があります。
ストレス解消にならない作業は、
  • ギャンブルをする
  • お酒を飲む
  • タバコを吸う
  • やけ食いする
  • テレビゲームをする
  • インターネットに熱中する
  • テレビや映画を2時間以上見る など
です。

これらは行ってもストレス解消にならないので要注意です。

反対に、ストレス解消に働く作業は、
  • エクササイズやスポーツをする
  • 読書をする
  • 音楽を聞く
  • 趣味の活動に没頭する
  • 家族や友人と過ごす
  • 瞑想やヨガをする
  • マッサージを受ける
  • 散歩に行く など
です。

これらは副交感神経を有意にし、脳内物質のセロトニンを放出するため、ストレスに対して和らげる効果がありますので積極的に取り入れましょう。

さらに最近の研究では、自分がストレスを感じている時ほど周囲へ関心を向け、周囲を助けるように働けばストレスが減少するということがわかっています。

東日本大震災では、被災者でもボランティア活動に参加した人達は、他の被災者に比べて有意にPTSD(外傷後ストレス障害)に陥りにくかった、という研究結果も出ています。

そこで、来週までの宿題では、自身がストレスと感じていることに対して、よい作業をしてストレス解消出来るかを実践してみましょう。