仮想敵を作る

院生のなかには、自分が書いた文章を批判的に吟味しがたい人がいます。

自身が書いた内容に満足してしまい、いろんな観点から批判的に読み、洗練することがなかなかできない。

大学院生は限られた期間のトレーニングを終えたら独り立ちする必要があります。

なので、自分で自分が書いた文章をうまく鍛えられるようにならないのは、ちょっと困ります。




この問題を克服する方法のひとつは、自身のうちに仮想敵を作ることです。

つまり、批判的吟味する技術を身につけるために、あえて「わたしを憎む人が、この文章を読んだら、どこを攻めるか」という視点をもつのです。

仮想敵は実在の人物でなくてもよいです。

自身の文章を厳しく自己批判する練習として、読者のなかに自分を心底嫌う人がいると仮定してみるわけです。

あるいは、わたしを徹底的に攻撃したいと考えている論敵がいると仮定してみるのです。

そして、その人の立場になったつもりで、自分が書いた文章を読んでみます。

最初は難しいかもしれませんが、複眼的に物事を見ることになれはじめると、自身の文章をだんだん批判的に吟味しながら読めるようになるでしょう。

自分が書いた文章を批判的吟味しがたい人は、架空の人物でよいので仮想敵を作ってみてください。