マインドフルネスはバーンアウトを減少させるか



Am J Occup Ther 70(2), 2016に掲載されたシステマティックレビューです。

面白かったので備忘録がわりにメモです。

本文は以下から読めますので、正確な情報は直に確認してください。。
本論の目的は、バーンアウトの減少にマインドフルネスが貢献するか、という問いに答えるためにシステマティックレビューすることです。

特に作業療法士はバーンアウトのリスクが高いので、それの改善・予防に役立つ知識が必要です。

方法は、PRISMAにしたがいました。

PRISMAはシステマティックレビューとメタ分析で遵守する必要のある国際ルールです。

本研究はシステマティックレビューですけど、メタ分析はしていません。

PRISMAの公式サイトは以下です。
日本語版チェックリストは以下から入手できます。
検索はmindfulness、randmaized、burnoutなどの用語を組み合わせて、MEDLINE、PsycINFO、Cochrane Library、OTseeker、Google Scholarなどの電子データベースを使いました。



ヒットしたランダム化比較試験の質はPEDro scaleで吟味しました。


PEDroは理学療法の電子データベースで、ランダム化比較試験の妥当性を10の基準(PEDro scale)で評定しています。


結果ですけど、202のランダム化比較試験が見つかり、最終的に基準を満たしたのは8でした。

8つのうち1つはPEDro scaleで非常に良好な結果を示し、6つは良好で、残り1つは妥当性に欠けました(PEDro scaleの得点(0〜10)の範囲は3〜6)。

例えば、8つすべての論文は対象者をランダムに割り当てていましたが、方法論上不可能だったようでブラインドはしておらず、半数がITT解析していました。

研究の対象は医療従事者と教員がはんでした。

マインドフルネスの実践は、伝統的な8週間の修正版マインドフルネスストレス低減プログラム(MBSR)、短縮版MBSR(例:介入期間が4週間ほど)、非伝統的なマインドフルネスプログラム(例:10日間のセルフトレーニング)の3パターンでした。

で、上記の問いに対する解答ですが、端的にいうと、マインドフルネスの実践はバーンアウトを低下させる効果がある、というものになりました。

ランダム化比較試験は総じて、マインドフルネスの訓練を受けると、そうでない場合に比べて、情緒的消耗感や脱人格化が改善し、達成感も得られやすくなるという結果を示しました。

ただしいくつか問題もあって、例えば研究の性質上ブラインドできていないし、評価が主観に頼っているので、その辺はクールに見積もる必要があります。

作業療法士のための示唆としては、作業療法士はバーンアウトのリスクに晒されていると自覚すること、マインドフルネストレーニングがそのリスクを低減させる可能性があること、作業療法士がマインドフルネスを日々の実践で意識することでバーンアウトしにくくなるので作業療法の質が改善しクライエントの満足感が向上する可能性があること、などあります。