よい作業とはどのような作業なのか



世界作業療法連盟の作業療法の定義は、作業を通して健康と安寧(well-being)を促進することです。

作業は、良くも悪くも健康とwell-beingに影響します。

例えば、ジャンクフードを食べ続けるという作業は、身体的な健康を害するかもしれません。

あるいは、他人の家を覗くという作業は、自身と周囲の人々のwell-beingを損ねるはずです。


作業は、健康とwell-beingに良い影響を与えるばかりではないのです。

したがって作業療法士は、健康とwell-beingに関連する作業の特徴を理解しておく必要があります。


作業科学者のウィルコックは、身体的、精神的、社会的という切り口から健康とwell-beingに肯定的な影響を与える作業の特徴を整理しています。

ざっくり意訳するとこんな感じです。


1.身体的な健康とwell-beingを促進する作業の特徴
  • 定期的に楽しい運動を行う
  • 仕事と余暇のバランスをとる
  • 大切な人と一緒に活動を行う
  • 健康的なダイエットとエクササイズを行う
  • 十分で規則正しい睡眠をとる など
2.精神的な健康とwell-beingを促進する作業の特徴
  • ニーズと能力にあった教育を受ける
  • 日々の生活に現実的な希望と意味を見いだせる
  • 他の人と一緒に過ごす
  • 刺激的で満足できる楽しい活動に取り組む
  • 興味と能力のバランスがとれた活動を行う
  • 社会的に好ましい価値ある技能を身につける など
3.社会的な健康とwell-beingを促進する作業の特徴
  • 作業を通して人間関係を構築できる
  • 作業を通して社会参加ができる
  • 適切な生活水準を維持する仕事がある
  • 目的の共有ができる
  • 作業ができる支援体制がある
  • 適切な社会経済的環境がある など
作業療法の役割は、作業を通して健康とwell-beingを改善することです。

そのためには、適切な作業にとりくめる機会を提供し、疾病・障害を考慮したうえで作業ができるようにやり方を工夫したり、作業への取り組みが促進されるように環境を調整したりする必要があります。

加えて、健康とwell-beingに肯定的な影響を与える作業の特徴を理解しておく必要もあります。

作業療法士は、自身が提供している作業が、クライエントに適切にポジティブな影響を与えているか、をしっかり理解しておきましょう。