子どものための作業遂行評価の質の検討



子ども(2歳から18歳)の自己報告に基づく作業遂行評価の妥当性と信頼性はどーなっているのか、を調べたシステマティックレビューを読みました。

本文は以下から読めるので、関心のある人は吟味しながら読んでください。
以下は備忘録がわりのメモです(正確な内容は上記の本文で自己確認してね)。

本研究が作業遂行に着目している理由は、作業療法の中心的役割が作業遂行の改善であり、作業遂行の正確な評価が介入の成否を決めるからです。

評価のなかでも主観的なものに焦点化する理由は、作業遂行の支援はクライエントの視点を理解しないとできないからです。

だから、正確にクライエントの主観で測定できる作業遂行評価が求められるわけです。

さて、本研究の方法は、システマティックレビューなのでPRISMAに準拠しつつ、尺度特性の吟味はCOSMINにしたがうという2段構えになっていました。

使用したデータベースはCINAHL、PsycINFO、EMBASE、PubMed、HAPI、Google Scholarで、表1で示されている通り広範囲を調べられる検索式を組んでいました。

上記の方法で検討したところ、6つの作業遂行評価(PEGS、MMD、CAPE、PAC、COSA、OSA)が対象になりました。

その概要は以下の通り(表4参照)。



  • Perceived Efficacy and Goal Setting System (PEGS):子どもの作業遂行に焦点化し、達成度、必要度などについて主観的に評価するものです。本尺度は3因子24項目からなり、4件法で評定します。
  • Make My Day (MMD) :子どもに作業遂行の満足感、自律感などについて自己評価してもらいます。本尺度は4件法で10サブスケール34項目で構成されます。
  • Children's Assessment of Participation and Enjoyment (CAPE) :子どもの作業遂行のなかでも特にレクリエーションや余暇活動への参加の程度を、55の項目を用いながら詳しく聞き取るものです。評定はディメンションごとに違う。例えば多様性ははい/いいえの2件法だけど、頻度は回数を問うています。
  • Preferences for Activities of Children (PAC):CAPEを拡張した尺度。活動に対する子どもの好みを測定します。基本的なスケーリングはCAPEと同様で、評定は55項目3件法なので少しシンプル。
  • Child Occupational Self-Assessment (COSA) :子どもの作業遂行に焦点を当てて作業同一性と作業有能性を自己評価してもらいます。2つのサブスケールと24の項目から構成され、4件法で評定します。
  • Occupational Self-Assessment (OSA) :子供に特化したものではないけども、作業遂行に焦点を当てて作業同一性と作業有能性を自己評価してもらいます。2つのサブスケールと21の項目から構成され、4件法で評定します。
で、結論は以下です。
  • PEGS、CAPE、PAC、OSAは良質な研究で尺度特性を検討していました。
  • MMD、COSAは研究されているけどもその質はいまいちでした。
  • もっとも良質でロバストな尺度特性を備えた作業遂行評価はPACでした。
  • 今後、研究のレベルを高めて、子どもの自己報告に基づく作業遂行評価の質を底上げしていく必要があります。
本論は英語で書かれた論文のシステマティックレビューなので、日本にどこまで当てはまるかはクールに考えないといけないですけど、これを読む限りは子どもの主観に基づく作業遂行評価はあんまりな感じですね。

本論でも強調されているように、作業療法の中心的役割は作業遂行の改善であり、それはクライエントの視点から理解しないと支援しがたいものです。

評価はクライエントの状態にあわせて選ばないとダメなので、良好な尺度特性を備えた作業遂行評価の増加が望まれます。