作業療法で生活習慣の支援が重要なワケ



作業療法でクライエントの生活習慣を重視する理由は、それが作業療法の哲学から考えると人間性の根拠になるからです。

例えば、作業療法理論のひとつである人間作業モデルでは、人間の3構造のひとつに「習慣化」を設定しています。

習慣化はさらに習慣と役割に分類され、これらが人々の生活習慣の成立を支える、というロジックになっています。

習慣は、セミオートマティックに遂行している作業であり、例えば朝起きて顔を洗って、飯食って、仕事に行って、、、というルーティーンでまわしている営為が該当します。

役割は、その人の立ち位置を規定するものであり、例えば勤労者、学生、趣味人など認識が自他にあると職場や学校などで過ごすことができます。

習慣化は習慣と役割で支えられ、作業療法でそれの再構築をめがけることになります。

ではそもそもなぜ、生活習慣(習慣化)が作業療法で重視されるのか。




その解答が冒頭の生活習慣は人間の人間性を支えているから、という哲学的な理解になります。

作業療法の哲学では、生活習慣を通して人格(その人らしさ)が形成される、と論証されてきました。

例えば、いい加減な作業を行う人は、それを続けることによって作業だけでなく人柄もいい加減になっていく、と考えるわけです。

あるいは、几帳面に作業する人は、結果として作業がきちんとできるだけでなく、その人自身も几帳面になる、そう考えるのです。

作業療法の哲学で考えると、生活習慣は人間の人間性の形成を促進するため、現代作業療法でもそれが重視されているわけです。

生活習慣の支援は、単にスケジュール管理したり、作業のバランスに配慮したりしたらよいわけではありません。

そこからさらに踏み込んで、生活習慣の支援は、目の前にいる人の人間としての尊厳に配慮しているのだ、という理解が必要なのです。