作業療法と理学療法の違いは明確に理解できないとマズい



作業療法の超メタ理論」と「理学療法の超メタ理論」の開発にそれぞれ関与している者としては、2つの領域の違いが明瞭すぎるために、混同してしまっている人たちが気の毒になります。

第二次世界大戦後に、国策主導で実体を把握しないまま輸入した功罪は、大きいと思います。

もっと早い時期に、それぞれの領域の「構造」を根本から解明できる有能な人たちがいれば、いまも続く混乱はだいぶ違ったものになっていただろうに。

「作業療法と理学療法の違いなんてわからなくてもよい」と主張する人もいますけど、その発想はちょっとおかしいということに気づいた方がよいです。

というのも、両者は道具に過ぎないので違いがわからなければ、「ここぞ!」という使いどころもわからないままになるからです。




例えば、ノコギリとカナヅチがあるとします。

このとき、2つの道具の違いがわからないと、どういう場面で使い分けたらよいかわかりませんよね。

ぼくたちは、物事を区別できるときにこそ、目的に応じてコントロールできるのです。

逆に言えば、明瞭に理解できないことがらについては、ほとんどコントロール不能なんです。

だから、作業療法と理学療法の違いの理解は、言葉遊びという次元をはるかに超えて、現実の実践に直に接続された問題だという理解が妥当です。

そこが不明瞭だと、作業療法と理学療法という道具を活かしきれないからです。

活かしきれないんです。

なので、作業療法士や理学療法士に「違いは何?」と聞いて「似たようなもん」と答える人がいたら、それに関する話題はちょっとマユツバで聞いた方がよいでしょうねw。

なお、作業療法と理学療法の「どちらが優れているか」を問うのは不毛です。

ノコギリにはノコギリの、カナヅチにはカナヅチの使いどころがあるように、道具は状況と目的に応じて活用できる場面があるので、一意にその優劣をはかることはできないからです。