作業は毒にも薬にもなる



作業療法の基本は、作業(仕事・遊び・日課・休息)を通して健やかな生活を支援することです。

これは、作業療法という領域の開拓理念であり、これを忘れた作業療法は作業療法にあらず、といってもよいぐらいです。

ところで、森羅万象あらゆる人間は作業(仕事・遊び・日課・休息)しています。

作業とまったく関わらずに存在できる人間は、原理的に考える限りにおいていません。

人間は健康になったり不健康になったり、幸福になったり不幸になったりします。

そのパラメータは作業だけではありませんが、それでもなお作業の仕方によって変動することはあります。

ここから、わかることはなにか?




結論からいうと、健やかな生活支援の目的であり手段でもある作業は、健康と幸福に対して毒になることもあれば、薬になることもある、ということがわかります。

作業は、やりかた次第で健康状態を良くしてくれます。

他方、作業は仕方を誤ると健康状態を悪くしてしまいます。

また作業は、うまくやると幸福感を増してくれます。

ところが、作業はやりかたを誤ると不幸をもたらします。

作業は毒にも薬にもなるのです。

だからこそ、作業の知識をもった専門家=作業療法士が必要になってくるわけです。

現在、一般国民は、大きな病気・障害をもった後でしか、作業療法士にであえません。

しかし、ぼくたちはどんな人間も作業しており、作業のしかたで人生の方向性を決めることがあるので、健常者に対する予防的作業療法が必要だと強く考えています。

作業療法士は、作業の知識をもった専門家として、もっと一般国民に身近な存在になる必要があります。