作業科学と作業療法



作業科学が提唱された当初は、作業療法の基礎学問という位置づけでした。

しかしその後、作業科学の臨床応用が効果的だとわかり、両者の関係はいくぶん複雑になりました。

作業療法とは、作業を通して健康と幸福を促進する専門技術です。

作業とは人間の経験であり、そこには仕事・遊び・日課・休息が含まれます。

つまり、作業療法は、人間の仕事・遊び・日課・休息の行い方を調整することによって、健康状態を改善し、幸福感の向上を促進する実践だと言えます。

他方、作業科学は作業そのものの探求とそれによって得られた知見を応用するという2つの役割があります。




2つの役割は、作業科学の独自性であると同時に、作業療法の機能を引き出し引き延ばす役割があります。

作業科学と作業療法では、後者が前者の作業観を受け入れるかたちで類似したものになっています。

作業は人生に意味をもたらすものであり、健康や幸福の源泉であり、人びとをつなぐ役割があり、社会や文化の成熟に欠かせないものです。

こういう理解の仕方は、作業科学の作業の探求が作業療法に肯定的な影響を与えた結果であると言えるでしょう。

2つの領域は似て非なるものですが、接近している部分が少なからずあるため、両者の違いを理解しつつ適切に活用していくようにしましょう。