作業と健康と安寧の関係

作業療法とは、仕事・遊び・日課・休息を通して健康と安寧(well-being)を改善することです。

人間の健康と安寧は、なかなか複雑な現象です。

なので、作業というパラメータのみでコントロールできるものではありません。

しかし、作業がそれらに影響を与えていることは、いろんな先行研究からけっこうな確度で言えるでしょう。

作業科学者のWilcockさんは以下の書籍で、作業、健康、安寧の関係をクリアに整理しています。


健康とは、WHOの定義をもとに、身体的、精神的、社会的に良好な状態であると位置づけています。

安寧(well-being)とは、身体的、精神的、社会的な状態に満足している程度です。

作業は、身体的、精神的、社会的な健康と安寧に良い意味でも悪い意味でも影響を与えるわけです。

上記の文献では、肯定的な作業がもつ特徴と健康と安寧の関係を以下のように図示しています(テキトーに意訳したので、正確な内容は本文で確認してください)。

作業と身体的な健康と安寧の関係

下図は、身体的な健康と安寧に対しては、適切にコントロールされた意味を感じる運動、疲れがとれる程度にしっかりした睡眠、バランスの良い生活などという作業がポジティブな影響を与えるという意味です。


作業と精神的な健康と安寧の関係

精神的な健康と安寧に対しては、意味を見いだせる活動、ニーズと能力がしっかりつながっている状態、社会的に承認される活動などの作業が肯定的な影響を与える、という図が示されています。

作業と社会的な健康と安寧の関係

社会的な健康と安寧については、社会的なつながりのある活動、共通の目的のもとで行う活動、作業にサポ—ティブな環境などがあると作業がプラスの影響を発揮するわけです。

作業で評価し、作業で介入するときは、作業、健康、安寧の関係が頭に入っていると実践しやすいはずです。

作業療法士はぜひ理解を深めておきたいところですね。