世界最古の作業の定義



これはあまり知られていませんけど、世界でもっとも古い作業療法における作業の定義は、1910年に看護師のSusan Tracyが示しました。

彼女は、看護学生で体験した看護実習で、作業が持つパワーに気づいたそうです。

そして作業の治療的活用を目指して勉学と実践を積み重ねてStudies in invalid occupation」という世界初の作業療法の教科書を書き上げます

本書は、その後約40年近くにわたって多くの人に読まれました。

また彼女は、それまで精神障害領域で展開してきた作業治療を、身体障害領域に拡張したという功績があります。

現代作業療法では、創設当時のリーダーのうちEleanor Clarke Slagleがとても高く評価されていますが、ぼくはSusan Tracyに軍配を挙げるべきだと考えています。

彼女は現代のOBPを考えるうえで、それぐらい重要な功績を残しています。




他の創始者たちに比べて、Tracyが現代の作業療法士たちにあまり知られていない理由は、当時の他の作業療法のリーダーたちとの信念対立があって、著書の執筆後にメインストリームを歩めなかったことが挙げられます。

信念対立の一つは、Tracyが作業療法を看護技術の一つと考えたのに対して、他の作業療法のリーダーたちは独立した領域と考えたところにあります。

また当時の女性差別の風潮も彼女にとっては不利に作用しました。

歴史を見ると、作業療法を独立した領域と主張した立場の人たち利があったわけですが、それにもかかわらず本書で彼女が示した世界最古の作業の定義は非常に重要な意味を持っています。

非常に原理的な理由で「作業の哲学」は、ここからはじめざるを得ないからです。

この続きは、現在執筆中のOBP2.0の理論書で詳述していますのでしばしお待ちあれ。

それまで待てない人は、彼女の著作と格闘して、理を紡いでみてください。

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