目指すべき働き方



だいぶ前の本ですけど、『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』を読みました。

在校生や卒業生から、作業療法士としてどうキャリアを形成したらよいか、と聞かれたことがきっかけで手に取りました。

本書はマルクスの『資本論』とキヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』の視点を参考に書かれています。

資本論』と『金持ち父さん貧乏父さん』はぼくもかつて読みましたが、本書はその良い点を上手く調合し、目指すべき働き方を分かりやすく示していると思いました。

本書の問題意識は、本書のp.8に端的に示されています。
  • なぜ、私たちの働き方はこんなにもしんどいのか?
  • なぜ、社会や経済は十分豊かになったのに、働き方は豊かにならないのか?
  • どうすれば、「しんどい働き方」から抜け出せるのか?
この問いから議論がはじまるわけですが、処方箋は第5章、第6章で論じられています。
その全体は本書で直に確認してほしいですが、ポイントだけ引用すると以下になります。
  • 世間の相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ(p.220)
  • 「積み上げ」によって土台を作り、その土台の上でジャンプする(p.232)
  • 労働力を「消費」するのではなく「投資」する(p.241)
  • 長期的な資産を作る仕事を選ぶ(p.245)
  • 過去からの「積み上げ」ができる仕事(職種)を選ぶ(p.256)
  • 変化のスピードが遅い業界・職種をあえて選ぶ(p.264)
  • 賞味期限が長く、身につけるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる(p.267)
  • PLだけではなく、BSも考えて働く(p.286)



本書は仕事選びも、働き方も上記の観点から検討することによって、働き方も生き方も変わっていく可能性がある、と教えてくれます。



作業療法士で考えると、臨床経験の積み上げが資産になっていきますし、基本的なアイデアは100年以上前から大きく変わっていないですから、時代の流れに消費されにくい仕事であろうと思われます。

ただ、ブラックな医療業界に身を置くわけですから、仕事でストレスを感じることは少なくないでしょうし、何らかの対策をしない限りは金銭という意味で大きな資産を形成しにくいはずです。

この辺りの問題を克服していくと、よりよい働き方が選びやすくなるでしょうね。

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』を読んで、『資本論』と『金持ち父さん貧乏父さん』に関心を持った人はぜひそちらにもあたってください。

ただ『資本論』は大著なのでいきなり読むと挫折するでしょうから、さしあたり超訳から読みはじめるとよいでしょう。