作業と活動の違い



作業療法では、作業(occupation)と活動(activity)は区別されています。

古くは、1966年の以下の文献でそのことが論じられています。
上記の文献の要点を示しておくと、
  • 作業は、人間の目的を必要とし、創造的で生産的な役割をもたらす。
  • また人間は作業を通して社会的・経済的な特性へとつながるものである
  • 他方、活動は作業のように目的や役割を必要とせず、社会的・経済的な特性を射程に収めていない
というものになります。

つまり、作業は活動とは異なって、目的的であり、役割をもたらし、社会参加へと促すものである、と整理されているわけです。

両概念の比較検討はその後も続いています。

その一例として、以下の書籍があります。





これも要点を示しておくと、

  • 作業は、特定の個人の1回限りの経験である
  • 作業は固有の時間的、空間的、社会文化的条件のうちで生じる反復不可能な主観的経験である
  • 作業は観察可能であるものの、その意味や価値は特定の個人の主観を通してでしか解釈できない
  • 活動は、社会文化的に共有された人間行動の分類であり、観念である(例えば演劇、料理など)
  • 活動は、特定の個人が経験するものではなく、何らかの出来事として観察できず、文脈依存的ではない
つまり、作業はそれぞれ固有の世界観のなかで生じる主観的経験であるが、活動は社会文化的に広く共有された人間行動のイメージである、というわけです。

この議論にしたがうと、例えば、「ジョギングする」という概念をみて、皆さんがある程度共通していだくイメージがあれば、それが活動です。

他方、ぼくが「ジョギングする」ときに実際に経験することがらは、作業です。

作業は、私でなければ経験できないことであり、それは一回生起の現象である。

現代の作業療法では、そう整理されています。

作業と活動は何が違うのか?と聞かれたら、作業療法士ならば明確に答えられるようにしておきましょう。