事例報告の目的は明確に!



学会発表の演題を査読していると、目的が非常に不明瞭なものがあります。

特に事例報告でそれは顕著です。

ありがちな例としては、「〜という事例を経験したので報告する」という表現です。

これでは、事例を報告する目的がまったくわかりません。

わからないのです。

病院内・施設内で私的な事例報告ならよいかもしれません。

しかし、学会発表である以上は経験したから報告するではなく、「何を報告したいのか?」を明確に示す必要があります。




そのためには、事例の何を報告したいのか、どういう知見が他者と共有する価値があるのか、をよくふり返って考えましょう。

単に経験を報告するのではなく、その経験から生成できる仮説は何か、先行研究に対比させるとその仮説にどんな実践的意義があるのか、を問い詰める必要があるのです。

多くの事例報告が次のより発展的な研究につながらず、単に報告されるだけで終わりがちなのは、そうした点に対する洞察の弱さにあります。

「経験したから報告する」だけでは、他者がその結果を継承していくことができないからです。

事例報告は、次につながる仮説を生成してこそ報告する価値があるのです。

そのための不可欠な一歩として、事例報告の目的を明確化にするようにしましょう。