実践と理論はどっちも必要



実践と理論は信念対立に陥りやすいです。

対立構造のポイントを示すと、

  • 理論が実践を導く。理論を学んでからでないと実践できない。物事は理論ありきで考えるべき
  • 実践が理論を導く。実践が先にあって理論はその後づけに過ぎない。実践と理論がフィットしないときは理論が間違っている
というものになります。

これと同種の議論は、数千年前からずっとあります。

だから、物事を対立構造でとらえるのは、人間の思考の「クセ」みたいなもんなのではないかと考えています。

が、結論から言うと、どちらも極端すぎるがゆえに、どっちもほどほどに間違っています。

両方の主張は、ときと場合によって妥当性が高くなったり、低くなったりするものです。

「ケースバイケース」というと、何も言っていないに等しいですけど、当然ながら妥当性の高低を規定する「条件」がいろいろあるので、それをしっかり把握していく必要があります。




理論が実践を導くという考え方は、習慣的な考えではできない発想が必要であったり、概念があるからこそクリアにみえる課題に取りくまないといけなかったり、するときに妥当性が高くなります。

他方、この考え方は実践で試行錯誤しながら過去にない発想を立ち上げていくときには、妥当性が低くなります。

次に実践が理論を導くという考え方ですけど、これは実践を通して理論の拡張範囲を広げていったり、実践で新たな気づきがあって新しい理論を構成していくときに妥当性が高くなります。

他方、この考え方は既に妥当性の高い理論の枠組ないで実践しているときは、妥当性が低くなります。

このように、2つの主張はどちらが図抜けて優れているわけではなく、どちらもときと場合によって妥当性の程度が変動するものなのです。

だから、「理論が実践を導く」「実践が理論を導く」というシンプルな主張をみたときは、その前提にある「条件」にしっかり着目していく必要があります。

「条件」次第でその妥当性が変わるからです。

実践と理論は対立構図でとらえるとアウトです。

どちらも必要で大切なんですよ。