事例報告のレベルを高めるコツ

日本作業療法学会の演題登録の〆切が迫っているので、頑張っている人のためにもうひとつ助言を書いておきます。

毎年の学会で事例報告が発表されています。

よく分析された事例報告は、臨床の解明と発展に役立つので、どんどんやってください。

一方で、自身の実践を単純に報告しているケースもちらほら見かけます。

そうした報告は実践のヒントになりますし、活き活きした内容であれば心躍ります。

けど、学知の発展に貢献するかというとけっこうビミョーです。

実際、そーゆー報告はほとんど他者に引用されないでしょ?

では、事例報告のレベルを一段高めるには、どーしたらよいか。




結論から言えば、事例の経過を丁寧に分析して「仮説生成」すればよいのです。

単一事例の報告であっても、事例の作業療法プロセスを丹念に分析し、そこから他の事例にも共通しそうな仮説を生成し、クールに限界を踏まえつつ先行研究に照らしながら吟味していくのです。

そーゆー事例報告は、シングルシステムデザインなどの事例研究、質的研究、量的研究へと継承される可能性があるので、学知の発展に貢献しうるものになります。

もちろん、これやるには日ごろの実践を丁寧に行っている必要があります。

普段の臨床から丁寧に現象を観察し、あれこれ作業推論を行い、実際の評価と介入に結びつけ、臨床の解明と発展に役立ちそうな仮説に思い巡らせる。

こーした地道でたいへんな活動が求められます。

でも学知が発展すれば、クライエントの作業療法の底上げにつながります。

だったら、その苦労も報われるじゃないですか。