作業によって作業への参加が制限される



作業療法では、作業を通して社会に参加することが、健康や幸福に肯定的な影響を与えると理解されています。

そーした作業への参加は、機能障害があったり、環境とのミスマッチがあると制約されがちになります。

例えば、脳血管障害を持つと趣味のゴルフがやりにくくなるかもしれません。

あるいは、混雑するバスに乗れないために、行きたいところにいけなくなる精神障害者がいるかもしれません。

このように、心身機能と環境は作業への参加を妨げる要因として理解されているでしょう。

他方、作業することそれ自体が、作業への参加を制限することがある、という視点も、ぼくたちには必要です。

心身機能や環境にだけ着目していたらダメです。

作業療法士なんだから作業に注意を払う必要があります。




例えば、何らかの理由で基本的なセルフケアで多大な努力が必要になってくると、そのこと事態が疲労や挫折をもたらしますので、本来やりたかった作業への参加がセルフケアという作業によって制約されることが起こりえます。

また、何らかの理由で作業能力が低下すると、作業することを通してイラついたり、満たされない気分になったり、望ましい結果を得られなかったりして、その後の作業への参加を阻害してしまう可能性があります。

他にも、希望していた作業ではない作業を行うことで、その経験自体が求めていた作業を行えなかったことに対する後悔を生み、さらなる作業への参加を制約することがあります。

このように、作業への参加の制限は、作業によってもたらされる側面があります。

ある作業は、別の作業に必ず影響を与えます。

日常を構成する様々な作業は蜘蛛の巣状につながっているのです。

だから、その作業を行った経験がブレーキをかけるものであれば、その後の作業への取り組みが難しくなるのです。

作業を通して支援する作業療法士は、作業の連関構造に着目するようにしましょう。