習慣訓練とはどのような方法なのか

作業療法の原型のひとつは1900年代初頭に、アドルフ・マイヤーが考案し、エレノア・クラーク・スレイグルが実践した習慣訓練(habit traning)です。

習慣訓練は作業療法に発展的に取り込まれたため、原型のままそれを実践する人はいないと考えられます。

しかし、そのアイデアは現代の作業療法でも生き続けています。

例えば、人間作業モデルの習慣化は、習慣訓練のモチーフを現代の作業療法で使えるかたちで表現したものです。

作業科学の作業バランスという考え方も同様です。

では、習慣訓練はどんな方法だったのでしょうか。

以下の書籍では図示しながら、それを分かりやすく示しています。


マイヤーのコンセプトは、習慣の崩壊や障害は精神障害の原因になりえるというものです。

このコンセプトの背景には、人間とは習慣存在であり、習慣が人格を形成するというデューイ流のプラグマティズムがあります。

したがって習慣訓練は、健全な習慣を再獲得するために、意識しながら適切に時間を使用するというものになりました。




スレイグルはマイヤーの習慣訓練を忠実に実践した人なので、基本的なコンセプトは同じです。

実践の人だったスレイグルは、1日、1週間、1ヶ月、1年というスパンで作業のサイクル(作業的循環)を捉えて、健全な習慣を学習するプロセスを支援するという視点を強調しました。


我が国の作業療法は生活行為の支援に力点を置きはじめています。

習慣訓練はそうした支援のアイデアの原型を示しています。

これからのあり方を検討するために、元々の作業療法のモチーフを理解しておくことはとても重要になるのではないでしょうか。