比較すると理解しやすくなる



ときどき「勉強しているけども、暗記はできても理解できた感じがしない。どうすればいい?」という質問を受けることがあります。

いろんな方法があるとは思いますが、理解は基本的に「比較検討」を行わないと難しいでしょうね、と答えています。

たとえば、作業療法理論を理解したいと思ったとしましょう。

作業療法理論には、川モデル、人間作業モデル、カナダ作業遂行モデル、人間-作業-環境モデル、作業適応モデル、感覚統合モデル等があります。

このうち、ひとつだけ任意に選びだして勉強したら、たぶんその内容は(全部は無理にしても所々)憶えることができるはずです。

しかし、その意味するところはなかなかのみこめない。

理由は、理解ってのはそれに対比できる知見がなければ、なかなか到来しない確信だからです。




だから、作業療法理論を独学したければ、特定のものだけに取りくんでも駄目で、他のものも同時にやったほうがいいのです。

たとえば、人間作業モデルとカナダ作業遂行モデルを選んだとしたら、「意志とスピリチュアリティって類似している概念だなぁ。でも、なんか違うように思うけど、何が違うんだろう。ふむふむ、あっそうか!これらの概念は◯◯という点では同型だけども、☓☓という点では根本的に異なるんだっ!」ってな感じで読みすすめるわけです。

それにより、理論の内容を飲みこむことができる。

ただ単に憶えている状態から、一歩進んで理解できるようになるわけです。

もちろん、「これらの概念は◯◯という点では同型だけども、☓☓という点では根本的に異なる」とまで判断できるようになるには、生半可な読み方では難しいですよ。

そうした理解は、それぞれの著者のモチーフを踏まえて、丁寧に理路を追っていき、その異同を思考実験で確かめあった後に、突然向こう側からやってくるものですから。

でも、真摯な取り組みは、それを行う人を裏切りません(たぶん)。

人間は行うことによって、何かになっていくのですから。