OBPの追求はスペシャリストになることか?


作業に根ざした実践(Occupation-Based Practice、OBP)を極めようとすることは、スペシャリストになることを意味するのでしょうか。

これはなかなか、ビミョーな問題です。

OBPは作業療法本来のモチーフを実質化することです。

つまり、作業療法らしい作業療法を行うことが、OBPです。

作業療法士のなかには、OBPに特殊なイメージをもつ人もいますけど、これは明らかに知識不足です。

知識不足なんですよ。

OBPは作業療法士がクライエントのために当たり前の作業療法を行うことだからです。

他方、スペシャリストとは専門を極めることです。

つまり、スペシャリストは特定の分野に関する深い知識と高い技術をもつ存在です。

以上を踏まえると、次のことが導けるでしょう。




まず多職種にとって、作業療法士がOBPを極めることは作業療法のスペシャリストという理解をもたらすはずです。

医師、看護師、薬剤師、理学療法士はそれぞれ専門領域を形成しています。

それを土台にOBPを極めた作業療法士をとらえれば、他領域とは明らかに異なった性質をもった存在にうつるからです。

なので、どーしてもOBPの極めようとする作業療法士は、スペシャリストであると理解されるでしょう。

他方、作業療法士にとってOBPを極めることは、作業療法全般に通じるという意味をもたらします。

なので、作業療法士はOBPを極めた存在を、スペシャリストに加えてジェネラリストであると認識することが、本来妥当です。

OBPに精通した人は、作業療法に精通している人なので、作業療法のスペシャリストでありつつも、元来、作業療法士ならば誰しもが身につけて当然の知識と技術なのでジェネラリストでもあるという感度があったほうが健全です。

このように、OBPを極めることには意味の多重性がともなうと理解しておきましょう。