作業機能障害の潜在ランク数の推定



学術誌「作業療法」に共著の研究論文が掲載されました!

寺岡さん、おめでとうございます!
  • 寺岡睦,京極真:作業機能障害の潜在ランク数の推定,医療従事者を対象として.作業療法36(3),309-319,2017
本研究は予防的作業療法を発展させるために実施しました。

2307名の医療従事者を対象に「作業機能障害の種類と評価(CAOD)」を実施し、作業機能障害の重症度を表す潜在ランク数を解明しました。

医療従事者を対象にした理由は、数ある職業の中でも医療従事者は様々な健康リスクにさらされており、予防的作業療法の必要性が高いと判断したからです。

さて本論でぼくたちは、現場で解釈しやすい評価結果を提供できるという点にこだわって、潜在ランク理論(Latent Rank Theory、LRT)という統計モデルを活用しました。

通常、評価の解釈は合計得点の高低やカットオフ値で行いがちです。

でも、例えばカットオフ値が20/19点だったとして、この1点の差に臨床的に重要な意味があるのかというと、実はけっこういい加減だったりするものです。

それに対して、LRTでは評価への回答パターンから順序性のある潜在的な母集団を仮定し、その所属確率を推定することによって、よりきめ細やかな解釈を提供することができます。

現場で解釈しやすい評価結果を提供できれば、治療・介入もクライエントの状態に適したものに変えることができます。

LRTを活用した作業療法研究は本論が国内外で初であり、われわれは本論で提案する評価法が一般的なものになれば作業療法のあり方を根底から変える可能性があると考えています。




なおこれは現在投稿中の研究論文の話ですが、われわれは身体障害、精神障害をもつクライエントを対象にCAODの潜在ランク数の検討を行い、上記の研究論文と同様の結果を再現できることを確認しております。

障害者を対象にした論文が掲載されましたら改めてお知らせいたします。

CAOD関連の研究論文は以下です(他にもあるかも^^;)。
  1. Kyougoku M, Teraoka M: Bayesian analysis of relationship between belief conflict and occupational dysfunction (under review)
  2. 寺岡睦,京極真:臨床における作業機能障害の種類と評価(CAOD)の尺度特性(査読中)
  3. 寺岡睦,京極真:作業機能障害の潜在ランク数の推定,医療従事者を対象として.作業療法36(3),309-319,2017
  4. 崎本麻衣,川口敬之,松岡太一,及川裕也,渡邊愛記:長期入院中の統合失調症者に対する作業機能障害の種類に焦点を当てた評価および介入.作業療法36(3),334-341,2017
  5. Teraoka, M., & Kyougoku, M. (2017, March 13). The structural relationship among occupational dysfunction, stress coping, and occupational participation for healthcare workers in Japan. Retrieved from osf.io/preprints/psyarxiv/5p49q
  6. Teraoka M, Kyougoku M (2015): Analysis of structural relationship among the occupational dysfunction on the psychological problem in healthcare workers: a study using structural equation modeling. Peer J 3:e1389 https://doi.org/10.7717/peerj.1389
  7. Teraoka M, Kyougoku M (2015): Development of the Final Version of the Classification and Assessment of Occupational Dysfunction Scale. PLoS ONE 10(8): e0134695. doi:10.1371/journal.pone.0134695
  8. 寺岡睦,京極真:医療従事者に対する作業機能障害の種類と評価(Classification and Assessment of Occupational Dysfunction, CAOD)の尺度特性の検証.作業療法34:403-413,2015
  9. 寺岡睦,京極真:医療従事者に対する作業機能障害の種類と評価(Classification and Assessment of Occupational Dysfunction, CAOD)の尺度特性の検証.作業療法34:403-413,2015
  10. 寺岡睦,京極真:作業に根ざした実践と信念対立解明アプローチを統合した「作業に根ざした実践2.0」の提案.作業療法33(3):249−258,2014
  11. 三宅優紀,寺岡睦,荻野景規,京極真:病院勤務のリハビリテーションスタッフにおける作業機能障害の種類の実態と職業性ストレスとの関連.日本予防医学雑誌9:93−100,2014
  12. 寺岡睦,京極真:予防的作業療法のための作業機能障害の種類と評価(Classifiation and Assessment of Occupational Dysfunction, CAOD)の予備尺度の開発.日本予防医学雑誌,8(2)53−57,2013寺岡睦,京極真,中山朋子,西本佳加,山﨑信和,中村裕美:作業機能障害の種類と評価(Classification and Assessment of Occupational Dysfunction, CAOD)の試作版作成.総合リハビリテーション,41(5),2013
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