作業療法の歴史分析と構造的意味



作業療法の歴史分析は、Kielhofnerのそれが有名です。



彼の歴史分析は約70年間が主な対象でしたけども、以下の書籍はそれを超える100年間をまるごと射程に収めています。



作業療法の歴史分析をテーマにした学術書は、いくつかあります(例えば以下)。



けど、100年間の歴史をこれほど緻密に検討したのは、本書が初だと思います。

素晴らしい仕事ですし、著者の力量には感服します。




作業療法は歴史研究がとても盛んな分野です。

これは、他のヘルスケア領域に比べてけっこうユニークな特徴です。

理由のひとつとして、アイデンティティの危機があります。

「作業ってなに?」「作業療法ってなに?」という問いが、この領域の存在理由を削り取るチカラを持った時代があり、それを克服する戦略として発生的なしかたで存在理由を明確にするという方法が採用されたのです。

したがって、作業療法士が作業療法の歴史を学ぶ意味は、私たちが誰でどこから来たのか、そしてこれからどこに向かうのかを理解するというところに求められます。

視点をかえると、自分たちのルーツを深掘りするというプロセスを経由しなければ、作業療法の意味の中心の把握は極めて困難な構造のもとにあるといえます。

私たちは、作業療法のテクニカルな部分を学ぶだけでは、本当の作業療法を理解することはできない。

作業療法の最先端を追いかけるだけでは、作業療法の本当の姿をつかむことはできない。

作業療法はそういう構造のうちにあり、だからこそ歴史研究が豊かに実っているのでしょう。

作業療法の実像を知りたい方は、ぜひ上記の書籍にあたってみましょう。