対立の利点



多くの研究で指摘されているように、対立がゼロになることはありません。

人間は必ず固有の世界のなかで生きているので、大なり小なりどこかで齟齬が生じるからです。

でも、対立は悪いことばかりではありません。

初期の対立研究は、対立のデメリットに焦点が当たっていましたが、中期から現代にかけて対立のメリットにも焦点が当たるようになりました。

世界中の研究者が、上手に対立すれば人と組織の成長につながると気づいたわけです。

信念対立を例に考えましょう。


これは、自身が確信したことが通じないときに生じる事象です。

例えば、「私は他人の意見を尊重することが正しい」と確信しているのに、他者から「それは違う。本当は自分の意見を貫くことが正しい」と否定されるようなときに、信念対立が生じやすくなります。

しかし視点を変えると、「私は他人の意見を尊重することが正しい」も「自分の意見を貫くことが正しい」も時と場合に応じてそれぞれに妥当性が見いだせることに気づくことができます。

つまり、意見の対立が起点になって水準がひとつ繰り上がり(繰り下がり)、それを包括できるようなメタな視点への経路が開かれるのです。

この気づきをもたらす方法論が信念対立解明アプローチですが、それはともかく確信が通じないことも上手に活かせばメタな視点を獲得することにつながるわけです。

対立にはそーゆーメリットがあるので、デメリットばかりに注目しないようにしましょう。