CAODの可能性

CAOD(作業機能障害の種類と評価)と潜在ランク理論(LRT)のコラボは、作業療法にちょっとしたイノベーションをもたらす可能性があると考えています。

学術誌『作業療法』に掲載された以下の研究論文を元に、LRTでCAODを運用すると図のような結果が得られます。
  • 寺岡睦,京極真:作業機能障害の潜在ランク数の推定,医療従事者を対象として.作業療法36(3),309-319,2017


ちょーざっくり解釈例を示します。

読んで頂けるとわかりますが、作業療法において以下のようなクリニカルリーズニングを支援するツールは皆無でした

そこにちょっとしたイノベーションを見いだせるはずです。


Aさんは中等度の作業機能障害である可能性が64%、重度の作業機能障害の可能性が約27%あると理解することができます。

他方、軽度の作業機能障害の可能性は8.3%しかありません。

Aさんに対しては、より重度化する事態を防ぐために作業療法を実施する必要があります。

BさんとDさんはともに軽度の作業機能障害です。

しかし、Bさんはその可能性が85%ありますが、Dさんは約54%で中等度の作業機能障害の可能性があります。

つまり、2人は同程度の作業機能障害であるものの、DさんはBさんよりも重度化する可能性が38%も高いと解釈でき、Dさんに対する作業療法のほうが緊急を要すると判断できるでしょう。

Cさんは、重度の作業機能障害の可能性が約82%、中等度の作業機能障害の可能性が約17%あります。

かなり高い確率で作業機能障害の重度化していると理解できるので、作業療法士はCさんの作業機能障害の内実にあわせて重点的に作業療法を行う必要があるでしょう。

以上、ざっくりした解釈の例示でした。

もちろん、実際の解釈は、LRTによるCAODの結果に加えて、クライエントの文脈や価値観、作業療法士の専門知識、他の作業療法的・医学的な情報を加味して行います。

なので、以下はあくまでも研究論文を読んだ読者が、実際のクリニカルリーズニングにどう活かせるかを簡略に例示したものであると捉えてください。

CAODはOBP2.0を基盤に開発していますから、以下の研修会では上記の評価システムの具体的な使い方も紹介する予定です。
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