患者が体験する信念対立



本学の修士課程を修了した多田哲也さんの原著論文が日本臨床作業療法研究に掲載されました!

オープンアクセスなので関心がある人は以下からどうぞです。
本研究の目的は、ハンドセラピィを受ける患者が体験 する信念対立の特徴と個別特性を明らかにすることでした。

方法は質的研究法の一種である事例−コードマトリッ クスです。

事例−コードマトリッ クスは、個別の事例から一般法則を抽出するだけでなく、各事例の個別特性を明らかにできる方法で、クライエント固有の世界観を大切にする作業療法に適した質的研究であると思っています。






研究対象者の語りを丁寧に分析していくと、信念対立は私と他者のあいだで生じるだけでなく、私自身のなかでも起こりえることが明らかになりました。

従来は人間関係の信念対立が着目されがちでしたが、本研究は信念対立に対応するためには視点を拡大する必要があることを求めています。

また、患者の信念対立は、骨折による痛みや生活の制限などの心身機能構造や活動参加の問題に加えて、医療者の行為によっても増強している現実が明らかになっています。

医療者の行為というところに着目すると、倫理に反する行いが信念対立の悪化につながっていることもわかりました。

われわれとしては、こうした事実ひとつひとつから一般性ならびに特殊性のある法則を明らかにし、臨床の質の改善につなげていきたいと考えています。

詳しくは公開された研究論文をお読みください。

本研究は、われわれ医療者の視点を広げて、よりよい治療関係の構築に役立つはずです。